知的財産権
知的財産権は、知的な創作活動によって生み出されたものを、創作した人の財産として保護する権利のこと。
次のような種類があるよ。
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特許権、実用新案権、意匠権、商標権を産業財産権といい、これらの権利の発生には特許庁への申請と登録の手続きが必要。
著作権は、著作物を創作した時点で自動的に権利が発生する。登録や申請の手続きは必要ないよ。
存続期間は、著作権が死後70年、特許権が出願から20年、実用新案権が出願から10年、意匠権が出願から25年、商標権が登録から10年となる。
商標権だけは更新することができ、永続的な権利の保有が可能だよ。
著作権の対象になるものとならないものには、次のようなものがあるよ。
著作権の対象になるもの
- ソフトウェア
- プログラム
- 操作マニュアル
著作権の対象にならないもの
- プログラム言語
- アルゴリズム
- プロトコル
特許権
特許権は、新規の発明を産業で独占的かつ排他的に利用できる権利のこと。
IT技術を利用して実現した新しいビジネスモデルを、知的財産権として法的に保護するのは特許法になる。このような特許をビジネスモデル特許といい、通常の特許と同じように特許庁に出願して取得するよ。
特許権に関連した、次の2つも一緒に覚えておこう。
クロスライセンスは、特許権を持つ2つまたは複数の企業が、それぞれが保有する特許を互いに利用できるようにすること。
実施権は、特許を取得した発明を実施するための権利のこと。
不正競争防止法
不正競争防止法は、不正競争を防止し、事業者間の公正な競争を促進するための法律のこと。
不正競争防止法では、事業活動に有用な技術や営業上の秘密を営業秘密として保護する。
営業秘密として保護されるためには、秘密として管理されていること(秘密管理性)、有用な技術または営業の情報であること(有用性)、公然と知られていないこと(非公知性)の3つを全て満たしている必要があるよ。
また、営業秘密を保護するものとして、秘密保持契約(NDA:Non Disclosure Agreement)がある。
秘密保持契約は、職務において知り得た情報を、外部に漏らさないことを約束する契約のこと。
限定提供データ
限定提供データは、組織が管理する情報のうち、限定提供性、相当蓄積性、電磁的管理性を満たすデータのこと。
- 限定提供性:業として特定の者に提供する
- 相当蓄積性:電磁的方法によって相当量蓄積されている
- 電磁的管理性:電磁的方法により管理されている
具体的には、次のような他社と共有や利活用されるデータが限定提供データに当たるよ。
- 気象データ
- 地図データ
- 機械稼働データ
- 消費動向データ
限定提供データは、不正競争防止法で保護の対象となるよ。
セキュリティ関連の法律
セキュリティ関連の法律には、次のようなものがある。
POINT
01
サイバーセキュリティ基本法
サイバーセキュリティに関する基本理念と国の責務等を明らかにし、戦略の策定や施策を規定してるもの。
POINT
02
サイバーセキュリティ
経営ガイドライン
経営者が認識するべきサイバーセキュリティに関する原則や、取り組むべき項目をまとめたもの。
POINT
03
サイバー・フィジカル・
セキュリティ対策フレームワーク
経済産業省が公開した文書で、Society 5.0におけるセキュリティ対策例をまとめたもの。
POINT
04
中小企業の情報セキュリティ対策
ガイドライン
中小企業の経営者が認識し実施すべき指針や、社内で対策をする際の方法をまとめたもの。
情報公開
プロバイダ責任制限法(発信者情報開示請求)は、Webページや電子掲示板などで権利侵害があった場合に、プロバイダや管理者に対する損害賠償責任と、発信者情報の開示を請求する権利を定めたもの。
情報公開法は、行政機関の保有する情報の公開に関する法律のこと。行政機関の保有する情報の公開を図り、政府の活動を国民に説明する責務を全うするとともに、公正で民主的な行政の推進にを目的とするよ。
不正行為
不正アクセス禁止法
インターネットやネットワークを利用した不正なアクセスを禁止するもの。
不正指令電磁的記録に関する罪
コンピュータウイルスを作成する行為を罪する法律。ウイルス作成罪ともいうよ。
個人情報
個人情報に関する次の法律や用語を覚えておこう。
- 個人情報保護法
個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利や利益を守ることを目的とした法律。
個人情報保護法における個人情報は、生存する個人に関する情報で、個人を特定できるものを指すよ。
個人識別符号も、個人情報保護法における個人情報に該当する。
個人識別符号は、個人に割り当てられた番号のこと。指紋認識データや顔認識データのような、個人の身体の特徴をコンピュータ用に文字、番号、記号等に変換するよ。また、運転免許証番号、マイナンバー、パスポート番号も個人識別符号に含まれるよ。- 個人情報取扱事業者
個人情報をデータベースにして事業活動している事業者のこと。
個人情報取扱事業者は、個人情報の取り扱いを外部に委託する場合、業務委託先を監督する義務があるよ。- 個人情報保護委員会
個人情報の有用性に配慮しつつ、適正な取り扱いを確保するための組織。
- プライバシーマーク制度
個人情報の取り扱いについて、適切な体制の整備と運用がされている事業者を認定する制度。
- 要配慮個人情報
本人に対する不当な差別、偏見、不利益が生じる恐れがある、特に慎重になるべき情報のこと。
例えば、人種、信条、社会的身分、病歴、診療記録、健康診断の結果、犯罪の経歴などが挙げられるよ。- 匿名化や仮名化
匿名化は、個人を特定できる情報を削除または変更すること。
仮名化は、個人を特定できないように、個人情報を加工すること。
匿名加工情報は、個人を特定できないように個人情報を加工し、元の状態に復元できないようにしたもの。
消去権は、自己に関する個人データを消去させる権利。忘れられる権利ともいうよ。- 第三者提供
個人情報を第三者に提供すること。
原則として、事業者はあらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならないよ。- 一般データ保護規則(GDPR:General Data Protection Regulation)
個人データ保護や取り扱いについて定めた、欧州経済領域(EAA:European Accessibility Act)の各国に適用される法律のこと。
マイナンバー
マイナンバーは、日本に住民票を有する全ての人(外国人を含む)が持つ12桁の番号のこと。
マイナンバー法は、マイナンバーの制度について定めた法律。
公的個人認証サービスは、行政手続きを、自宅のPCからインターネットを通じて行う際に用いる本人認証の手段のこと。
公的個人認証サービスで本人認証を行う際、マイナンバーカードが必要になるよ。
e-Taxは、国税庁が運営する、申告、申請、納税に関するオンラインサービス。
個人や企業に関する法律
POINT
01
民法
売買、賃借、婚姻、相続など身の回りの私的な取引や関係について定めた法律のこと。
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02
会社法
会社の設立、解散、運営、管理など会社に関する基本的なルールについて定めた法律のこと。
POINT
03
労働基準法
労働者の賃金、就業時間、休憩など労働条件について定めた法律のこと。
例えば、フレックスタイム制という制度について定めている。
フレックスタイム制は、一定期間における総労働時間をあらかじめ定めておき、始業時刻と終業時刻は従業員が設定できる制度。
必ず勤務しなければならない時間帯をコアタイム、勤務しなくてもよい時間帯をフレキシブルタイムという。