法務

知的財産権

知的財産権は、知的な創作活動によって生み出されたものを、創作した人の財産として保護する権利のこと。

次のような種類があるよ。


  • POINT

    01

    著作権
    音楽、小説、映画、ソフトウェアなどの著作物を保護する。

  • POINT

    02

    特許権
    技術的に高度なアイディアや発明を保護する。

  • POINT

    03

    実用新案権
    物の形状、構造、組み合わせに関わる考案を保護する。

  • POINT

    04

    意匠権
    商品の形状、模様、色彩などデザインを保護する。

  • POINT

    05

    商標権
    商品に付けた商標を保護する。

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特許権、実用新案権、意匠権、商標権を産業財産権といい、これらの権利の発生には特許庁への申請と登録の手続きが必要。

著作権は、著作物を創作した時点で自動的に権利が発生する。登録や申請の手続きは必要ないよ。

存続期間は、著作権が死後70年、特許権が出願から20年、実用新案権が出願から10年、意匠権が出願から25年、商標権が登録から10年となる。

商標権だけは更新することができ、永続的な権利の保有が可能だよ。


著作権の対象になるものとならないものには、次のようなものがあるよ。

著作権の対象になるもの


  • ソフトウェア
  • プログラム
  • 操作マニュアル

著作権の対象にならないもの


  • プログラム言語
  • アルゴリズム
  • プロトコル

特許権

特許権は、新規の発明を産業で独占的かつ排他的に利用できる権利のこと。

IT技術を利用して実現した新しいビジネスモデルを、知的財産権として法的に保護するのは特許法になる。このような特許をビジネスモデル特許といい、通常の特許と同じように特許庁に出願して取得するよ。

特許権に関連した、次の2つも一緒に覚えておこう。

クロスライセンスは、特許権を持つ2つまたは複数の企業が、それぞれが保有する特許を互いに利用できるようにすること。

実施権は、特許を取得した発明を実施するための権利のこと。

不正競争防止法

不正競争防止法は、不正競争を防止し、事業者間の公正な競争を促進するための法律のこと。

不正競争防止法では、事業活動に有用な技術や営業上の秘密を営業秘密として保護する。

営業秘密として保護されるためには、秘密として管理されていること(秘密管理性)、有用な技術または営業の情報であること(有用性)、公然と知られていないこと(非公知性)の3つを全て満たしている必要があるよ。

また、営業秘密を保護するものとして、秘密保持契約(NDA:Non Disclosure Agreement)がある。

秘密保持契約は、職務において知り得た情報を、外部に漏らさないことを約束する契約のこと。

限定提供データ

限定提供データは、組織が管理する情報のうち、限定提供性相当蓄積性電磁的管理性を満たすデータのこと。

  • 限定提供性:業として特定の者に提供する
  • 相当蓄積性:電磁的方法によって相当量蓄積されている
  • 電磁的管理性:電磁的方法により管理されている

具体的には、次のような他社と共有利活用されるデータが限定提供データに当たるよ。

  • 気象データ
  • 地図データ
  • 機械稼働データ
  • 消費動向データ

限定提供データは、不正競争防止法で保護の対象となるよ。

セキュリティ関連の法律

セキュリティ関連の法律には、次のようなものがある。

POINT

01

サイバーセキュリティ基本法


サイバーセキュリティに関する基本理念国の責務等を明らかにし、戦略の策定や施策を規定してるもの。

POINT

02

サイバーセキュリティ
経営ガイドライン


経営者が認識するべきサイバーセキュリティに関する原則や、取り組むべき項目をまとめたもの。

POINT

03

サイバー・フィジカル・
セキュリティ対策フレームワーク


経済産業省が公開した文書で、Society 5.0におけるセキュリティ対策例をまとめたもの。

POINT

04

中小企業の情報セキュリティ対策
ガイドライン


中小企業の経営者が認識し実施すべき指針や、社内で対策をする際の方法をまとめたもの。

情報公開

プロバイダ責任制限法(発信者情報開示請求)は、Webページや電子掲示板などで権利侵害があった場合に、プロバイダや管理者に対する損害賠償責任と、発信者情報の開示を請求する権利を定めたもの。

情報公開法は、行政機関の保有する情報の公開に関する法律のこと。行政機関の保有する情報の公開を図り、政府の活動を国民に説明する責務を全うするとともに、公正で民主的な行政の推進にを目的とするよ。

不正行為


不正アクセス禁止法

不正アクセス禁止法


インターネットネットワークを利用した不正なアクセスを禁止するもの。


不正指令電磁的記録に関する罪 ウイルス作成罪

不正指令電磁的記録に関する罪


コンピュータウイルスを作成する行為を罪する法律。ウイルス作成罪ともいうよ。

個人情報

個人情報に関する次の法律や用語を覚えておこう。


個人情報保護法

個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利や利益を守ることを目的とした法律。

個人情報保護法における個人情報は、生存する個人に関する情報で、個人を特定できるものを指すよ。

個人識別符号も、個人情報保護法における個人情報に該当する。

個人識別符号は、個人に割り当てられた番号のこと。指紋認識データや顔認識データのような、個人の身体の特徴をコンピュータ用に文字、番号、記号等に変換するよ。また、運転免許証番号、マイナンバー、パスポート番号も個人識別符号に含まれるよ。

個人情報取扱事業者

個人情報をデータベースにして事業活動している事業者のこと。

個人情報取扱事業者は、個人情報の取り扱いを外部に委託する場合、業務委託先を監督する義務があるよ。

個人情報保護委員会

個人情報の有用性に配慮しつつ、適正な取り扱いを確保するための組織。

プライバシーマーク制度

個人情報の取り扱いについて、適切な体制の整備と運用がされている事業者を認定する制度。

要配慮個人情報

本人に対する不当な差別偏見不利益が生じる恐れがある、特に慎重になるべき情報のこと。

例えば、人種、信条、社会的身分、病歴、診療記録、健康診断の結果、犯罪の経歴などが挙げられるよ。

匿名化や仮名化

匿名化は、個人を特定できる情報を削除または変更すること。

仮名化は、個人を特定できないように、個人情報を加工すること。

匿名加工情報は、個人を特定できないように個人情報を加工し、元の状態に復元できないようにしたもの。

消去権は、自己に関する個人データを消去させる権利。忘れられる権利ともいうよ。

第三者提供

個人情報を第三者に提供すること。

原則として、事業者はあらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならないよ。

一般データ保護規則(GDPR:General Data Protection Regulation)

個人データ保護や取り扱いについて定めた、欧州経済領域(EAA:European Accessibility Act)の各国に適用される法律のこと。

マイナンバー

マイナンバーは、日本に住民票を有する全ての人(外国人を含む)が持つ12桁の番号のこと。

マイナンバー法は、マイナンバーの制度について定めた法律。

公的個人認証サービスは、行政手続きを、自宅のPCからインターネットを通じて行う際に用いる本人認証の手段のこと。

公的個人認証サービスで本人認証を行う際、マイナンバーカードが必要になるよ。

e-Taxは、国税庁が運営する、申告、申請、納税に関するオンラインサービス。

個人や企業に関する法律

POINT

01

民法


売買、賃借、婚姻、相続など身の回りの私的な取引や関係について定めた法律のこと。

POINT

02

会社法


会社の設立、解散、運営、管理など会社に関する基本的なルールについて定めた法律のこと。

POINT

03

労働基準法


労働者の賃金、就業時間、休憩など労働条件について定めた法律のこと。

例えば、フレックスタイム制という制度について定めている。

フレックスタイム制は、一定期間における総労働時間をあらかじめ定めておき、始業時刻と終業時刻は従業員が設定できる制度。

必ず勤務しなければならない時間帯をコアタイム、勤務しなくてもよい時間帯をフレキシブルタイムという。